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副業の会社設立で社長を配偶者にするメリット・デメリットは?

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最近、本業とは別に副業をしている方が増えています。近年、働き方が多様化しており、副業も珍しくはなくなりましたが、本業の会社で副業が禁止という会社はまだまだ多く存在しております。そこで今回の記事では、副業で会社設立をする際、自分ではなく配偶者を社長にした場合、どのようなメリットがあるのかを解説します。また、会社の設立の簡単な手順も併せて解説するので、参考にしてみてください。

 

 

1 配偶者を社長にするメリット・デメリット

配偶者を社長にするメリット・デメリット

 

まずは、副業で会社設立をする際に配偶者を社長にするときのメリット・デメリットを確認しましょう。下記のとおりです。

 

【メリット】

 

  • ・会社に副業をしていることがバレない。
  • ・所得分散による節税効果
  • ・社会的な信用が向上すること
  • ・配偶者が社会保険に加入することができる

 

【デメリット】

 

  • ・配偶者の扶養が外れる
  • ・配偶者に責任がかかること

 

それでは、それぞれのメリット・デメリットについて見ていきましょう。

 

 

1-1 会社に副業がバレない

勤めている会社の就業規則等によっては、副業が禁止されている場合もあります。そのような中、本業がありながら副業をすることは、とてもリスクが伴います。そこで、自分自身でなく配偶者名義の会社で副業をすれば、自分自身のことが公になることがないため、まず会社に知られることはありません。

 

※配偶者も就労者であり、勤務先で副業が禁止されていれば、同じようにリスクが伴います。このメリットを受けるのであれば、配偶者は専業主婦(夫)であるか、副業可の勤務先に就労していることが条件となります。

 

また、副業が会社に知られてしまう主な原因は下記のとおりです。

 

【副業が会社にバレてしまう主な原因】

 

副業が会社に知られてしまう主な原因は「収入増加による住民税の増加」です。住民税は前年1年間の所得から算出されます。そのため、副業で収入があると、1年間の所得も増加するため、住民税が高くなります。会社の給与事務を行っている経理担当の方からみると、住民税が他の人より高いため、副業をしていないか等が疑われてしまいます。

 

副業収入が多いほど、住民税が高くなってしまうため、すぐにバレてしまうリスクが高くなります。そこで配偶者を会社の社長にすることで、自分自身には収入が入らないため、このリスクを回避することができます。

 

その他で会社に副業がバレてしまう原因は、自分自身で副業をしていることを他の社員に話してしまうことです。これは、なかなか多い事例であるため、副業がたとえ上手くいっていたとしても、他の社員の方に話すことはやめましょう。

 

また、会社を設立した際、自分自身が社長になってしまった場合は、登記上に名前が記載されてしまいます。登記上で会社に知られてしまう可能性は少ないですが、記載されてしまえば、逃げられない証拠となってしまいます。

 

 

1-2 節税効果を期待できる

副業で会社設立をする際に配偶者を社長にすると、節税効果も期待できます。日本では累進課税が導入されており、所得が高ければ高いほど税率が高くなります。累進課税の税率は下記のとおりです。

 

【所得税(個人)の税率】

 

所得金額 税率 控除額
1,000円から1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円から3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円以上 45% 4,796,000円

 

上記の表をみると、所得が900万円以上あれば、税金が33%となり、かなり高額となります。副業が上手くいっており、本業があるとすれば900万円の壁は簡単に越えてしまいます。

 

単純計算になりますが、例を挙げます。本業の所得が600万円で副業所得が300万円だと合わせて900万円(税率33%)に到達してしまいます。

 

そこで、社長を配偶者にして、配偶者に収入が入るようにすれば、自分自身は年間所得600万円(税率20%)で配偶者の年間所得300万円(税率10%)となり、かなりの節税効果が期待できます。

 

これは、副業収入が大きいほど節税効果につながりますし、配偶者以外にも家族がいる場合は、より所得分散効果が生まれ、節税につながります。

 

○本業が年間所得600万+副業所得300万円

・所得900万円×税率33%-控除額1,536,000円=所得税1,434,000円

 

○本業が年間所得600万円+配偶者の副業所得

・所得600万円×税率20%-控除額427,500円=所得税772,500円

・副業所得300万円×税率10%-控除額97,500円=所得税202,500円
→合計の所得税975,000円

※配偶者が就労しており、収入を得ているのであれば、所得分散の幅が狭く、節税効果が少なくなります。

 

 

1-3 信用力の向上になる

次に、副業で会社設立をする際に配偶者を社長にすると、信用も向上することについて解説いたします。こちらについては、会社設立にかかる信用の向上と、配偶者を社長にすることで発生する信用の向上の2つがあります。

 

○会社設立による社会的な信用の向上

 

会社を設立する上でのメリットは、社会的信用があがることです。皆さんも取引先から商品等を購入するときは、ただの個人事業主より「株式会社」「合同会社」等の法人の肩書があった方が、何となく安心感があると思います。その安心は、信用になります。

信用というのはビジネスの上ではとても重要な要素で、信用があればあるほど、取引先の拡大にもつながります。大きな企業ほど、個人事業主とは取引をしない傾向もあり、会社を設立することで個人事業主では受注されなかったような大きな取引が生まれる可能性もあります。

 

○配偶者を社長にすることで発生する信用の向上

 

配偶者を社長にすることで、信用力が向上する場合もあります。配偶者が副業で収入があることに加え、本業で安定した収入を見込めるために発生するものです。収入が安定的にあることは、サラリーマンとしての自分自身が担保と見なされるため、金融機関からの融資が得やすくなります。

 

 

1-4 配偶者が社会保険に加入することができる

配偶者が専業主婦(夫)である場合、扶養で社会保険に加入することができます。しかしながら、配偶者が社長になる場合は、自身で立ち上げた会社で社会保険を加入させる必要があります。一見すると、デメリットのように見えますが、メリットもあります。

 

それは、社会保険の事業者負担分は会社の経費に計上することができますし、年金額も扶養の時より増額することが見込めます。副業の会社規模が大きい場合はメリットになるケースは多いです。ご自身の会社に当てはめて検討しましょう。

 

 

1-5 配偶者が扶養から外れる

配偶者が代表取締役で役員報酬を支給している場合は、扶養から外れてしまう可能があります。税金面でいえば、役員報酬で年103万を越えれば配偶者控除が受けられなくなりますし、社会保険の面でいえば、役員報酬が発生すれば、設立した会社で保険を負担しなければならなくなる可能性が高いです。

 

設立した会社の規模によりますが、会社の利益が少ないうちは、配偶者控除がなくなることと、社会保険料の負担が大きなデメリットとなるでしょう。

 

 

1-6 配偶者に責任がかかること

 

配偶者が社長になると、配偶者は責任者となるため、ある程度、会社に対しての理解が求められます。銀行や公的機関、取引先などにも配偶者が直接行くケースも出てくるかと思います。その際に、責任者である配偶者に直接会社のことを尋ねられた時、全く答えられないようであれば、怪しい会社と思われ、会社の信用は低くなるでしょう。

 

 

2 会社設立の方法

会社設立の方法

 

会社設立の方法について確認していきましょう。ここでは、副業におすすめのプライベートカンパニーの考え方や会社形態、設立手順について解説いたします。

 

 

2-1 プライベートカンパニーとは

プライベートカンパニーとは、企業の事業拡大に伴う利益を目的とした会社ではなく、個人の資産管理や節税を目的とした会社という考え方になります。副業の会社で、かつ自身が社長でないのであれば、プライベートカンパニーの考え方は最適な選択肢の1つです。個人事業主と違い、プライベートカンパニー(法人化)をすれば、家賃や光熱費、通信費など日常生活にも関わってくるものを経費として計上ができ節税効果を高めることができます。

 

また、節税効果で言えば、個人事業主とプライベートカンパニー(法人化)では、税金の種類が異なります

 

個人事業主:所得税

会社(法人):法人税

 

所得税は累進課税となっており、所得が高くなるほど、税率もあがります。例えば、所得695万円~900万円未満の場合の税率は23%で、所得900万円以上になると税率が33%になります(最大45%)

 

一方、法人税は資本金が1億円以下の法人の場合、所得が800万円以下なら15%で、それ以上なら23.20%となっています。

 

所得が高くなれば、プライベートカンパニー(法人化)の方が節税効果は高くなり会社設立をしたほうがよくなります。プライベートカンパニー(法人化)のその他のメリットとしては、前述した所得分散による節税効果や社会的な信用向上等が挙げられます。

 

 

2-2 会社形態の選択

会社には、合同会社、株式会社、合名会社、合資会社の4種類があります。プライベートカンパニーの考え方で資産管理や節税が目的であれば、合同会社が一番選択肢として適正です。

 

理由としては、合名会社、合資会社は無限責任となり、出資額の範囲を越えても責任を負わなければなりません。会社で払えない場合は、個人の資産にまで責任が及びます。一方、合同会社や株式会社の責任は有限責任となり、出資金の範囲が上限となるので、リスク回避という意味で大きな利点となります。

 

株式会社と合同会社については、設立費用が違います。合同会社の方が安価であるため、資産管理や節税等が目的のプライベートカンパニーであれば、合同会社が一番の選択肢となるでしょう。

 

○合同会社設立費用:約113,000円

→登録免許税:最低60,000円、定款(収入印紙):40,000円、その他雑費:約13,000円

 

○株式会社設立費用:約235,000円

→登録免許税:最低150,000円、定款(収入印紙):40,000円、定款の認証手数料:最低30,000円、その他雑費:約15,000円

 

株式会社は株式の発行をすることで、資金調達が可能な会社形態です。また、決算公告をする義務等があるため、合同会社よりも社会的信用度が高いです。そのため、大きな事業をするのであれば、株式会社の方が合同会社よりも優位です。副業で大きな事業をしたいのであれば株式会社という考え方も選択肢として入るでしょう。

 

 

2-3 会社設立の簡単な流れ

会社を設立するための手順を確認していきます。会社を設立するには下記の手順となります。

 

【会社設立の手順】

  • 会社の基本情報を決める
    まずは、どのようなビジネスを営むのかといった事業内容、会社名、事業所の所在地、資本金額等といった会社の基本情報を決めます。
  • 定款の作成
    次に定款(会社のルール)を決めます。定款には必ず記載しなければならない絶対的記載事項があります。また、株式会社を設立する場合は、公証役場で認証手続を行う必要があります。

 

【絶対的記載事項】

 

  1. 事業の目的
  2. 商号(会社名)
  3. 本社の所在地
  4. 資本金額
  5. 発起人の氏名

 

・資本金準備

 

次に、資本金の準備です。資本金は会社を設立する人の個人口座に振り込みます。会社の銀行口座は登記が終わらないと作成できないため、設立する人の口座に振り込みます。資本金は、いくらでも大丈夫ですが、運転資金として最低3ヶ月分の運営費は準備した方が良いです。

 

・登記申請

 

法務局で会社の登記申請を行います。登記申請が終われば、会社を設立したことになります。上記が会社設立の手順となります。これらの手順が面倒くさい・時間がない場合は、司法書士に申請代行を依頼することもできます。

 

 

2-4 会社設立時における祈祷とは

会社設立時における祈祷とは

 

会社を設立した際に、また新商品の発売等の節目において、商売繁盛や売上上昇を願って祈祷を行うことは、社内の気持ちを引き締めたり、会社一同の心を一つにしたりするために重要な行事のひとつです。日本では古来より、成功祈願や願望成就のために神さまの加護を受けられるようにと祈りを捧げてきました。その祈りを体系化したものが祈祷となります。

 

祈祷には、神社で行うものと現地にて行うものの2種類に区分されます。現地で行う祈祷には、家の新築や増築、また駐車場造成時における地鎮祭や、結婚式場や納車後のお祓いなどがあります。

 

そして、会社に関係する現地で行う祈祷には、工場における上棟式や操業安全祭、事務所開きの際の清祓いなどがあります。

 

神社で行う会社設立時等の会社の経営に関する祈祷には、商売繁盛、企業隆昌、社業繁栄、そして社運隆昌があります。商売繁盛とは商売の繁盛を祈祷するもので、会社の売上や利益の上昇、また新規事業の成功や既存事業の改善等を対象とするものです。

 

企業隆昌とは、会社の設立や新規事業のキックスタート、新規店舗における顧客や社員数の増加、社員の会社への定着や満足度の促進等、会社の多方面での成長や成功を願う祈祷です。社業繁栄や社運隆昌も同様の内容と考えて良いでしょう。

 

いずれも会社の成功を祈るものですが、どちらかといえば商売繁盛は短期的な(例えば今年一年の)成功を祈るものに対して、企業隆昌(社業繁栄、社運隆昌)の方は中長期的な、末永く会社の成功を祈るものとなります。

 

ただし、上記のうちどれが「会社設立時の祈祷」にあたるのかというのは、神社によって異なる場合がありますので、願い事の内容を神社とよく話しをして確認するのが良いでしょう。それでは次に、会社設立時の祈祷を神社で行う場合の手順と、祈祷の際に授かるお札について見ていきます。

 

 

2-5 会社設立時の祈祷の手順

まず服装ですが、祈祷とは神さまの前で行う神聖で厳かな儀式ですので、スーツ等のフォーマルな格好が相応しいものとなります。短パンやTシャツ等のラフな格好は控えましょう。

 

祈祷の申し込みは、神社の事務所にあたる「社務所」にて行います。社務所には神職や巫女が通常常駐していますが、神社によっては社務所がないところもありますので、申し込み場所が分からない時は神社の関係者に尋ねてください。

 

祈祷は神社によって当日受けられるところもあれば、前日までに申込みの予約制のところもありますので、事前に確認しておくのが良いでしょう。また、祈祷日が大安であるかどうかは気にする必要はありません。大安に代表される六曜の考え方は中国発祥のものであり、神道とは無関係であるからです。

 

祈祷の受付は申込書類に記入をして行います。受付時に祈祷の内容、すなわち願い事や叶えたい思いを神職に伝えましょう。

 

祈祷は神前にて、すなわち神さまの前で行う儀式のため、体を清めて穢れを払っておきます。穢れを払うとは「手水舎」(ちょうずや、てみずや、またはちょうずしゃとも)にて手をすすぎ、口をゆすいでおくことです。なお、手水舎は水盤舎(すいばんしゃ)、御水屋(おみずや)と呼ばれることもあります。

 

祈祷の際、神社によってはタスキ(または小忌衣)と呼ばれる、祈祷の際の礼装を身につけることもあります。

 

祈祷は先に受付した人から順番に行われます。自分の番が来ると名前を呼ばれますので、社殿に上がり(昇殿し)、祈祷を受けることになります。

 

改めて祈祷とは、神職から神さまに参拝者の願いを伝えるという儀式となります。参拝者の願いを奏上する段の「祝詞(のりと)奏上」は、祈祷の最も重要な過程です。

 

祝詞奏上に続いて、巫女により神楽の奉納と鈴の鳴動によるお祓いが行われます。その次に「玉串」(後述)を神前に奉納して、二礼二拍手一礼にて拝礼を行います。最後に、お札(御神符)が渡されて祈祷の完了です。

 

繰り返しますが、以上は一般的な手順です。神社によって異なる場合がありますので、その神社に合わせた動き、やり方を心がけてください。

 

さて、上記にて後述と触れた「玉串」について説明しておきましょう。玉串とは、榊の枝に紙(紙垂=しで)をつけたもので、神さまに米や酒、魚等とともにお供えをするものです。

 

しかし、なかなか玉串を用意するのは難しいため、現代では金品にて代用することになっています。祈祷の際に神さまにお供えするものの一つとして玉串があり、お供えをした証として「玉串料」と但し書きされた領収書を受領することになります。

 

また、神社によっては領収書に玉串料ではなく、「初穂料」や「祈祷料」のように但し書きされる場合もあります。

 

初穂とはその年の初収穫のお米のことであり、そのような目出度いものを神さまへの供え物とすることで、その年の豊作を神さまに感謝するというものです。この初穂も、現代では米農家以外が手に入れるのは難しいため、金品で代用されるようになっています。

 

玉串(初穂)料は、祈祷の場合は白無地の封筒に収めるようにします。なお、結婚式等の慶事の場合には祝儀用ののし袋を用いることとされています。

 

封筒には、表書きの上段に毛筆で濃く「(御)玉串料」と書きます。毛筆がない場合には筆ペンや太字のフェルトペンでも構いませんが、ボールペンや万年筆はやめておきましょう。

 

表書きの下段には、自身(自社)の名前を上段の名目よりも小さめに書きます。文字が大きくなったり小さくなったりしないようにバランスを考えて書くようにしましょう。連名とする場合は、格上から右に並べて書きます。もし同格の場合は五十音順に並べると良いでしょう。

 

玉串料、初穂料のどちらとも、慶事等のお祝い事や祈祷の際の名目として用いることができますが、玉串料の方は葬儀等の弔事には適していません。そのため、弔事においては名目を初穂料とすることになります。

 

なお、「お布施」とは寺院や僧侶へお金を支払う際の仏教用語です。神道とは関係ないものとなるため、神社にて行う祈祷においては使用ない語句となります。

 

2-6 お札の扱いについて

祈祷の際に渡されるお札は、会社や事務所に祀っておきたいものですが、神棚がなくても問題ありません。お札を祀る際に気をつけるポイントはお札の向き、そして高さです。お札を飾る向きは、お札の正面を南、または東にします。

 

これは、太陽が当たる向きが南側であり、太陽が昇る方向が東側であることが理由です。南と東、どちらの方が良いということはないので、部屋の間取りや飾りやすさによってどちらかを選ぶようにしてください。

 

お札を飾る位置については、お札の正面を南とする場合は北側の壁を背にすることになり、またはお札の正面を東とする場合には西側の壁を背にすることになります。なお、神社やお札によっては、毎年祀る位置が変わる場合があるので、お札を貰った際に聞いておくのが良いでしょう。

 

もう一つの重要なポイントである高さに関しては、立ち上がった際の目線より上側の位置とすることになります。ただし、扉やドア等の上の人の出入りが多い場所や、そもそもトイレや台所は避けるようにしてください。

 

また、お札には神棚に入れるものと神棚に入れないものの2種類があります。神棚に入れるものは、通常紙が素材となっており、神社名が中央に記載されています。こちらのお札には祈祷を申し込んだ人の氏名は記載されていません。

 

神社の場合は、御神体として剣や鏡を祀ることになりますが、この紙製のお札は神棚に祀る際の御神体ということになります。しかし、現代では神棚がない部屋も多いため、その場合は前述の向きと高さに気をつけて祀れば問題ありません。

 

紙のお札を神棚に入れずに飾る際には、倒れないようにするために壁や柱等に糊で貼り付けることで対応します。貼り付ける場合は、できることならお米を溶いた「米糊」を用いるのが望ましいです。米は神さまへの代表的なお供物であり、神道において神聖なものとされているからです。

 

神棚に入れないお札は、祈祷(願い)の内容に応じたものとなっているため、「祈祷神符」とも呼ばれます。ただし、祈祷を受けることで必ずしも授けられる訳ではなく、また祈祷を受けなくとも授与所にて授けて貰えることが多いものとなります。

 

祈祷神符の多くは、神社名と一緒に祈祷を受けた人の氏名も記載されています。また、紙製以外にも木製の場合もあり、また大きさも大小様々のものがあります。そして、祈祷神符は神棚に祀っておくものではなく部屋の中に飾っておく、いうなれば大きな御守りにあたるものとなります。

 

置き場所については、先に触れたように目線より上の、お札の正面が南側か東側となるような場所とします。もし神棚があってその側に祀る場合は、通常神棚より向かって左側にお札を飾ります。神道においては、向かって右側の方が高い序列であるためです。

 

最後にお札のご利益期間ですが、厳密に定義されている訳ではありませんが、一般的に一年間とされています。

 

一年以内に願い事が叶った場合は、神社にお札を持参してお礼参りをし、炊き上げをしてもらいます。もし願い事が叶わなかったり改めてお願いをしたりする場合は、一年後に新しいものに取り替えてまた祈願をすることになります。

 

 

2-7 祈祷料金と会計処理の方法とは

祈祷料金は一般的には5千円から1万円程度とされていますが、人数により違う場合もあれば、神社によって指定の額としている場合もあります。祈祷の前に神社に問い合わせるか、または、最近は神社にもホームページがあることが多いですので、インターネットで検索してみることで金額や相場観が分かります。

 

祈祷の際に支払ったお金(玉串料、初穂料、祈祷料)は会社の経費とすることができます。このときの勘定科目は「寄付金」となり、寄付金における「神社の祭礼などの寄贈金」という扱いとなります。ただし、玉串料を経費計上する際には注意が必要です。

 

その注意点とは、全額経費になる訳ではない、ということです。国や自治体への寄付金は全額経費とすることができますが、この「神社の祭礼などの寄贈金」は一部しか経費として認められないことになっていますので、間違えないようにしてください。

 

玉串料を経費化できる限度額(損金算入限度額)を求める数式として次のものが定められています。

 

資本金の額×当期の月数/12×2.5/1,000=資本金基準額

所得の金額×2.5/100=所得基準額

(資本金基準額+所得基準額)×1/4=損金算入限度額

 

なお、上記の計算式に基づいた損金算入限度額が10万円を超える場合でも、一年間の損金算入限度額の上限は10万円までと決まっていますので、この点も注意が必要です。

 

また、お札の購入費用についても、玉串料と同様の考え方で寄付金として計上し、上記の損金算入限度額の考え方に基づいて経費化することができます。

 

なお、お札は実物があるため消耗品費として取り扱いたくなりますが、法人税法基本通達(15-1-10)においてお札は次のように定められています。

 

「宗教法人におけるお守り、お札、おみくじ等の販売のように、その売価と仕入原価との関係からみてその差額が通常の物品販売業における売買利潤ではなく実質は喜捨金と認められる場合のその販売は、物品販売業に該当しないものとする。」

 

すなわち、お札は消耗品費とはならないということです。消耗品費としてしまうと全額経費となりますので注意してください。

 

なお、会社設立に向けて個人事業主時代に祈祷を行うケースについてですが、個人事業主は玉串料を経費とすることが認められていません。

 

正確には、玉串料を経費として認めないことが法律等により定められているという訳ではなく、過去の判例によりそのように判断されているということです。そのため、個人事業主時代に玉串料を納めた場合は寄付金ではなく、経費とならない「事業主貸」という勘定科目で処理することになります。

 

 

3 まとめ

副業の会社設立で社長を配偶者にするメリット・デメリットについて解説

 

今回は、副業の会社設立で社長を配偶者にするメリット・デメリットについて解説しました。副業が上手くいっており、本業で副業禁止となっている方は、配偶者を社長にして会社設立をすることは節税効果等の恩恵があります。自身の会社で副業が禁止になっていても配偶者などの家族の力を味方に豊かなライフプランを送ることができるので、検討してみてください。


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